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お知らせ

自家歯牙移植を行った症例

自家歯牙移植とは、患者さん自身の歯を別の部位に移植する方法です。対象となるのは、ほとんどの場合、智歯つまり親知らずです。

歯が悪くなり抜歯となる部分、もしくはすでに歯が無い部分を補うため移植を行います。

古くは古代エジプトの時代から行われていたとの記録もあるそうです。近代歯科の歴史でも古くから行われていた治療法で聞き慣れないかもしれませんが最新の治療とは言えない術式です。

しかし技術的なむずかしさなどから現在はインプラントが先行して行われているのが現状です。がしかし、インプラントは天然の歯にはかないません。当院では診査の上可能であれば自家歯牙移植を薦めています。

症例は75歳の女性の患者さんです。右下の腫れを訴えて来院されました。

すると診査したところ右下の7番が歯根破折(根っこが折れていた)を起こしていました。

治療法としては抜歯するしかありません。原因としてはブリッジの土台として負荷がかかりすぎていたためでしょう。左右の健康な親知らずが存在することから診査の上左右の親知らずを抜歯する7番の部分と、もともと歯が欠損していた6番の部分に移植するという方針を立てました。

治療期間は約1年。移植に関して、歯を抜いた部分より歯の無いところへの移植の難易度が高い事もあって6番の移植部は正常な歯のレントゲン像ではありませんが歯周ポケットもなく臨床的には正常な状態です。

 

移植した後も歯が移動しながら治癒してゆくとの報告もあり、現在も仮歯で経過を観察しています。