噛み合わせ治療を行った症例
大学病院にいたころから、壊れた噛み合わせを正常に戻すような治療を勉強し、日々、試行錯誤しています。
患者さんは前歯の審美障害を訴えて来院されました。
前歯の被せ物のかけ、黒く変色した部分を気にされていました。
この部分だけを触れば簡単に訴えを解決できます。しかし、なぜこのように壊れたのかを考えなければ
新しく入った被せ物は、同じ末路を辿ることになります。
よく見ると分かりますが、奥歯にはぺったんこにすり減った銀歯が入っています。
下の前歯や、犬歯が大きくすり減りかみ合わせが大きく変わり、
うねるような咬み合わせをされています。
深くずれた噛み合わせこそ前歯の壊れる原因であることを説明したところ、
全体の治療を行って咬み合わせをただしてゆく治療を行うことになりました。
治療は約2年ほどかかりましたがお口の中は大きく変わることになりました。
治療後のお口の中がこちらです。
ジルコニアという高強度のセラミックスに陶材を盛ったオールセラミックスの冠で治療しました。
歯の位置により前歯の長さが不揃いとなってしまいましたが、左右バランス良く噛める状態に治療することができたとおもいます。
このような噛み合わせの改善は、お口の中だけでは無く、顔つきにも変化を及ぼします。
なぜなら、顔の筋肉のバランスは、噛み合わせによって保たれているからです。
治療後の変化を見ると左右の歪みがなくなり、左右対称な輪郭へ改善されていることが分かります。
歪みによる緊張のある口元から解放されリラックスした口元は若さも感じるのではないでしょうか?
2年という長い治療期間をどう評価されるか患者さんによると思いますが、頑張られた患者さんの
今後のお口の健康、しいては身体の健康の見返りは大きいであろうと想い、
また私も治療をがんばろうという気になりました。